平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

リビング静岡 創刊30周年(フジサンケイグループ)  2011/01/10

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いつもお世話になっている「リビング静岡」(フジサンケイグループ)が30周年を迎えた。本当におめでとうございます。長きにわたって地域の情報を収集・提供する媒体として、その任務を遂行されてきたことに敬意を表したい。
そのリビング新聞の特徴は、地域における購読率もさることながら、読者が隅から隅まできちんと読む率がひじょうに高い情報紙であるということだ。
またサンケイグループの全国に張り巡らされたネットワークをいかし、年に何度か地域を越えた企画を組む。これがなかなかユニークである。


わたしもその筆海に駄文を寄せている。「色はにほへ都」というシリーズである。
◎バックナンバー 
http://www.s-liv.com/column/iroha/index.html

原稿用紙2枚半程度のこのシリーズでは、主に日本語の抱えている世界を、単に語源のトリビアだけに終わらせず、その背景に潜む文化を掘り起こしたいという気持ちでずっと綴ってきた。その前のシリーズ「ことのはデザイン塾」まで併せれば都合約80本のシリーズを書いてきて、いまだに続けさせてもらっている。ここまで続けて来られたのは、一重に歴代の編集者の力があってこそといえよう。内容を読み返してみると、書き直したい部分だらけではあるが・・・。まあ、そのうち大幅に筆を入れ、何らかのカタチでひとまとめになるかもしれない。


他にも学生プロジェクトを組織し「先生の研究教えてください」というシリーズも展開してきた。
http://www.s-liv.com/column/kenkyu/
これは静岡にあるいくつかの大学の学生たちがチームを組み、「あの先生の研究を知りたい」、そう思った研究室へお邪魔してレポートするという企画である。もちろん人選から取材まで、すべて学生が段取りをして書き上げる。一回当たりのスペースは限られているが、それを承知で学生達もがんばってくれている。

このあとリビング静岡では創刊30周年を記念して、谷川俊太郎さんの朗読会&コンサートなどを準備されているようだ。それはそれでとても楽しみである。
ところで、改めてリビング静岡の題字をよく見るとそのショルダーが「女性のための生活情報紙」とある。まことに僭越ながらご提案させて頂くと、30周年を記念して、「女性ための」というフレーズを再検討してみたらどうだろう。女性に限定するかしないかという問題を云いたいのではなく、30周年・その先へ向けたメディアの指針を謳うショルダーをしばらくは掲げてみるという提案である。

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