平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

ダンテが『神曲』の「地獄萹」で描いていたのは   2011/01/09

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◆先日、留学前の学生が声をかけてくれたので食事をしながら話をする。
異なる文脈に自分を投げ出す不安と希望が交錯する学生の話を聴きながら、わたしも少しだけ思い出話を差し挟む。

あぁ、その国ならCMの撮影でわたしも行きましたよ。石畳に積もった雪を踏みしめながら、広場の大時計を撮影して・・・。小さな木戸の奥はものすごい広いお店になっていてね・・・撮影は一日で終わってしまって、あとは大きな河沿いを毎日歩きながら、古書店を巡り・・・たわいのない話だ。ははは。

こういうときには話を聞くという役を演じながら、わたしがいちばん学んでいる。元気も希望も食事代だけでもらえる。役得だなぁ。

気をつけてね。またそのうちに。

◆ Yさん、今、部屋のどこかで迷子になってしまっていて探し出せないのですが、確かダンテの『神曲』「地獄萹」では、現世で悪事を働いた人間が地獄に堕ちているんじゃなくて、善も悪も何にも働かなかった人間が地獄で丸裸にされて右往左往しているところが描かれていたんだと記憶しています。
実はそういうことだと思うのです。



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