搾取は蜜の味 2010/12/15
あることがきっかけとなって、ニホンミツバチの養蜂を営んでいるKさんを訪ねることになった。急な話である。
養蜂は、特に西洋において、詩人や哲学者たちに趣味と実益を兼ねて受け入れられてきた。修道院で製産されてきたものは、なにもワインだけではない。そこでは養蜂が営まれ、蜂蜜が採取され、蜜蝋が造られていたことを忘れてはならない。
手元にあるアリストテレス全集(岩波書店 1969.1)「動物誌」下巻 第40章(P94-104)を開くと、哲人によるミツバチの観察・考察がある(アリストテレスが、豚や馬などの家畜、魚類や鳥類に関して膨大な文章を残しているのをご存じですか)。アレクサンドロス大王の家庭教師を務めた哲人アリストテレスは、実は動物行動学者でもあり、ある意味養蜂家でもあったのだ。
わたしのデスクの上にはずっとシュトックマー社製の蜜蝋クレヨンが置いてある。確かドイツ車を買ったときに頂いたものだ。年に数度、これを手にとってイラストを描くことがある。ちなみに蜜蝋とはミツバチが蜜や花粉を食べて分泌してできる蝋のことで、巣をつくる材料だ。
そうして、風邪のときにもティータイムのときにも、いつもわたしはミツバチの巣箱 hive から堂々と「搾取」された蜜によって、元気を頂いている。一匹のミツバチが生涯かけて集めてくる蜜は、なんと耳かき2杯分だと聴いたことがある。わたしが、瓶を垂れる蜜をお行儀悪くぺろりと舐める理由がわかり頂けるだろう。
Kさん宅にお邪魔したあと、立ち寄った神社の裏山で偶然見つけたものは・・・
山に設置されたニホンミツバチの巣箱でした。
すぐ上の写真は巣箱が壊れているため、既に入っていないと思われる。
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きょうは健康診断でした。あ〜 やっぱり注射は苦手である。
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