平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

どまんなかセンター/旧中村洋裁学院(袋井)その1  2010/12/12

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「どまんなかセンター」がどのような場なのかは、ここでは詳しく説明しない。オフィシャルサイトに詳しく記されているからだ。それでも簡単に述べておくなら、米穀屋を経て洋裁学校となった建物を期間限定でアーティスや市民に開放した空間である。
http://center.nadegatainstantparty.org/

ところで20世紀後半の美術館の歴史はホワイトキューブの時代といってもいい。そこでは空間や壁のディテールに影響されず、白い壁(ホリゾント)が用意され、「切り取られたアート作品」そのものを楽しむ場としてしつらえられた。だがそもそも西洋美術は貴族の館の豪華な壁紙やベルベットをバックに飾られていた。最近では横浜美術館のドガ展やBankART studioの展示、あるいは個人所有の家屋などを使った地域のアートフェスティバルでもこの手の方法が用いられている。この手法は「場の記憶」と積極的に係わっていくことを意味している。
どまんなかセンターで発表されるアート作品は、どこでも通用する持ち込まれたアートではなく、元米穀屋や洋裁学校、袋井、そこに係わる人々の記憶を丁寧に掘り起こしてく、そんな動的で挑発的なアートであって欲しい。それがこの建物の生き残りにつながり、この空間そのものがアートになることだとおもう。

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●その2へ跳ぶ
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1426.html



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