ナンギャール・クートゥー、情報意匠論 2010/10/30
いつものように書きたいことがマンダラ山ようにある、乳海のようにたまっている。
SPACの仕掛けたナンギャール・クートゥー(世界でもっとも古い演劇形態のひとつクーリヤッタムから派生した演劇で、演者の女性が一人で何役もこなす)は約一年ぶりの鑑賞。演目は『おさなごクリシュナを探す旅』。
この「動かないで動く様式」から、能と似ていると評する人も少なくないが、わたしにはまったく別物に見える。能はナンギャール・クートゥーのように上下に動くことは皆無だし、眼球を激しく動かすこともなく、ただ面(おもて)の微妙な傾きと運足で、彼岸と此岸を往来するのである。
ナンギャール・クートゥーでは、両の男性が支える小さな揚げ幕に、わたしはいつも一気に気持ちが吸い寄せられ、最後までまばたきひとつしないで食い入るように観てしまう。
そうして通訳の足澤一成さんのトーンが相変わらず心地よい。わたしの中では足澤さんの通訳も含めてひとつのナンギャール・クートゥーになっている。
昨年は演出家のゴーパル・ヴェヌさんとお話しをさせて頂いた。あっという間の一年だ。
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1026.html
高部葉子さんのシャツの前に立つといつも穏やかな気持ちになれる。
授業 情報意匠論に、絵本作家の平野ますみ先生とテレビ静岡(フジテレビ系列)の新名さん、榎田さんが課題を出しに来てくださった。
まだこの場には詳しく書けないが、ますみ先生がご持参くださった絵本の原画から、とんでもないことが動き出す可能性があることがわかった(Uさん、本気の人の声は重いよね)。
またテレビ静岡さんから頂いた課題に対しても、早くもアイデアを持っている学生が何人かいるということも聞こえてきた。期待しています。
◆掛川市民大学では、図書館と昨今の出版事情について2時間話す。電子書籍元年だし、国民読書年だし、秋の読書週間だし(もちろんそれだけの理由ではないが)。
医大生のSさん、お忙しいところわざわざ話を聞きに来てくださってありがとうございました。
◆たくさんの頂きものをしておきながら、満足にお礼もできていません。各氏からご著書も頂いてばかりいる。手紙にもお返事が書けていません。お許しください。少々お待ちください。
◆先ほどから(0時45分)、NHK BS2で舞台『イワーノフ』の放送が始まった。鈴木忠志演出、現SPAC(静岡県舞台芸術センター)の奥野晃士さん主演の舞台だ。
この場にアップした内容は、その後、激しくペンを入れる場合があります。
バックナンバーはここ↓から。「表示件数」を100件に選択すると見やすくなります。