遅くなりましたが(遅いにもほどがある!)、羽鳥書店 創業1週年+数ヶ月 おめでとうございます 2010/08/05
羽鳥書店が創業1周年を迎えました(タイミングを逃しました・汗)。書店といっても本屋さんではありません。出版社です。東京・千駄木の団子坂にあります。文京区立本郷図書館の真ん前です。
〈本の舞台裏〉羽鳥書店が創業1年
朝日新聞 2010年7月18日掲載
東京・千駄木の団子坂近くにひっそりとたたずむ小さな出版社「羽鳥書店」が創業したのは昨春。東京大学出版会を定年退職した羽鳥和芳さん(61)が退職金を元手に立ち上げた。「出版不況の中で大丈夫か」と心配する声もあったが、このほど確定した初年度決算では「何とか赤字にならない程度の黒字」で、羽鳥さんは心底ホッとした表情を見せる。
出版社を作るときは、前の職場の同僚だった矢吹有鼓さん(35)と東大生協の書籍部職員だった糸日谷智さん(42)の3人でのスタートだった。その後、2人が加わった。5人で力を合わせ、これまでに15冊を出版している。
羽鳥書店の本作りの原点は、羽鳥さんが38年勤め上げた東大出版会での経験だ。「法律中心に学術書や教科書を手がける一方で、人文書、画集なども作ってきました。色々とやらせてもらった経験が、今に生きています」。創業から3カ月後の“創業出版”のうち山口晃著『すゞしろ日記』と高山宏著『かたち三昧(ざんまい)』は、いずれも羽鳥さんと矢吹さんが前職場で手がけたPR誌での連載を書籍化した。以後も辻惟雄著『ギョッとする江戸の絵画』や斎藤希史著『漢文スタイル』など、培ってきた人脈を生かしてきた。
販路にも工夫を凝らし、業界団体「版元ドットコム」の書店FAXサービス、そして営業担当の糸日谷さんが独自のネットワークで注文を受けた数字を元に、配本。その結果、業界全体で返品率4割と言われる中で、同社はわずか10%という。加えてグラフィックデザイナーの原研哉さんに装丁を依頼するなど、「モノ」としての本作りにもこだわる。
羽鳥さんは語る。「電子書籍時代の到来ともいわれますが、こういう時代だからこそ、モノとしての本の魅力を打ち出したいと思いますし、その魅力が注目される可能性はあります。まっとうな本づくりをしていれば、紙の本の未来は暗くはないと思います」
(浜田奈美)
◆ついこの間、アップしたこの本も羽鳥書店から上梓された一冊。本当に多くのことを教えられました。
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1297.html
◆これまで脳内探訪にアップしてきた羽鳥書店のこと
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1130.html
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