平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

静岡出身・浜野佐知監督 『百合祭』上映会&シンポジウム   2010/08/04


死ぬほど暑い中、エアコン無しでがんばっています(汗)(汗)
仕事場は今、扇風機すらありません。
本が邪魔して、窓も開かないし・・・・
ちなみに邪魔?しているという本は、鈴木大拙全集、寺田寅彦全集、三木清全集、幸田文全集、萩原朔太郎全集、鏡花全集です(尾崎翠も鎮座しております)。これらは決して処分できません。わたしは暑さを我慢する方を選択します(汗)(汗)(汗)だって、エアコンは何も教えてくれませんが、これらの全集はとんでもない大切なことをたくさん教えてくれるからです。
それにしても、この部屋(だけじゃないけど)には今ではすっかり流行らなくなった個人の全集というのが、かなりあります。個人全集は、一冊一冊の装丁を楽しむことはできませんが、その文士の生涯を俯瞰して見るのはもってこいの資料となります。全集にしか載っていない文章もありますしね。




さて、きょうは、お知らせしたいことが二つあります。

1.浜野佐知監督の映画『百合祭』上映&シンポジウムがありますので、ぜひ足を運んでください。

2.浜野監督の新作映画『百合子、ダスヴィダーニャ』がクランクインするので応援してください。

多くの友人たち(浜野監督を支援する会静岡・代表石垣詩野)が浜野佐知監督を応援しています。ぜひ、可能な方法で応援してください!

【浜野佐知監督プロフィール】
1948年生まれ。高校時代から映画監督を目指し、上京して映画界への道を探るが・・・・(以下公式サイトへ) http://www.h3.dion.ne.jp/~tantan-s/prof.html


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【百合祭 ストーリー】
 73歳の宮野理恵さん(吉行和子)をはじめ、老嬢ばかりが住むレトロな洋館の毬子(まりこ)アパートに、ダンディで陽気な75歳の三好さん(ミッキーカーチス)が引っ越してきた。世間からは「お婆さん」としてしか扱われない彼女たちを、立派なレディ扱いして、華やかなリップサービス、時には手を握るなどのソフトタッチも試みる。 これには、長い苦難の人生を歩んできた彼女たちも、大家の奥さん(正司歌江)を先頭に、すっかり魅惑され、甘い蜜に群がる蝶々の群れのよう。三好さんは、老嬢たちのサンクチュアリのプリンス、光源氏として、一時期君臨する。宮野さんもまた、すっかり忘れていた体の奥の甘美な感覚を取り戻し、三好さんとセクシュアルな接触を持った。若い頃のセックスとは様相が異なるが、体を重ねた時の柔らかな感触に陶然となる。
 しかし、次第に三好さんの意外な過去と実像が明かになってくる。そして誰もが「自分とだけ」と思い込んでいたのに、彼はとんだプレイボーイだった。すべてが明白になった時、彼女たちは驚き、怒るが、いつまでも「騙された!」などと恨み言は言わない。三好さんに触発されるなかで、社会が押しつけ、自分たちも受け入れてきた「お婆さん」の役割やイメージを振り払い、自らの内の眠れる欲望に向かい合ったのだ。そして、いささかの躊躇もなく、果敢に<生き直し>を開始する。なかでも宮野さんと横田さん(白川和子)には、意外な展開が待っていた・・・・・・。


●浜野佐知監督作品
●キャスト
吉行和子 ミッキーカーチス 正司歌江
白川和子 中原早苗 原知佐子 大方斐紗子
目黒幸子
●原作
桃谷方子
『百合祭』
(北海道新聞文学賞受賞作 講談社刊)
●製作
株式会社 旦々舎
企画:鈴木佐知子 脚本:山崎邦紀 撮影:小山田勝治
照明:上妻敏厚 美術:奥津徹夫 音楽:吉岡しげ美
編集:金子尚樹
●後援
株式会社 北海道新聞社/財団法人北海道文学館
●助成
日本芸術文化振興会芸術団体等活動基盤整備事業

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ここからは新作映画『百合子、ダスヴィダーニャ』がクランクイン、の情報です。

チェーホフの翻訳なので知られる湯浅芳子は、17歳で上京。作家・評論家の宮本百合子と出会い、8年間ともに暮らし、2人でモスクワへ留学した。映画は、湯浅と百合子の同性愛関係を軸に描かれる・・・・
ちなみにダスヴィダーニャはロシア語で「さようなら」。

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【関係資料】

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●京出身ロ文学者・湯浅さんを映画化  地元のNPOが衣装協力 
 【 京都新聞サイトより 2010年07月31日 15時23分 】

 京都市出身のロシア文学者、故湯浅芳子さん(1896~1990年)を描いた映画が制作されることになり、NPO法人京都古布保存会(事務局・京都市左京区)が衣装協力する。所蔵の着物を貸し出したり、時代に応じた着付けを指導する予定で、関係者らは「京都ゆかりの文学者の再評価につながれば」と期待を寄せる。

 映画は「百合子、ダスヴィダーニヤ」。ピンク映画でデビューし、高齢者の性を描いた「百合祭」など300本以上の作品を手がけてきた浜野佐知監督の最新作だ。

 京都の商家に生まれた湯浅さんは17歳で上京。作家・評論家の中條(後の宮本)百合子(1899~1951年)と出会い、1924(大正13)年から8年間ともに暮らし、2人でモスクワ(当時ソ連)へ留学した。チェーホフ作「桜の園」などの翻訳で知られる。

 映画は、湯浅さんと百合子の同性愛関係を軸に描く。浜野監督は「現代ですらカミングアウトが難しいのに、自分のセクシュアリティーを認めて生きた芳子に強烈にひかれた。また百合子の、自立して仕事をしたい女が伝統的な家制度や夫との間でがんじがらめになる苦しみは、現代女性にも通じる」と語る。

 衣装協力は、同会の似内惠子代表が数年前に浜野監督のトークショーを訪れ、親交ができたことから実現した。

 湯浅さん役の菜葉菜(なはな)さん、百合子役の一十三十一(ひとみとい)さん、百合子の母役の吉行和子さん、百合子の夫役の大杉漣さんらが大正期の着物を着用。当時の着こなしに近づけるよう会員が撮影現場で着付け指導する。「着物を実際に着てもらうことで、時代の空気が伝われば」と似内さん。浜野監督も「映画の衣装部が用意する衣装と違い、本物が持つ力がある」と喜び「芳子の出身地京都の方々の協力を得て、地元から再評価の機運が高まれば」と期待する。

 今年10月にクランクイン、来年5、6月ごろの公開を目指し、制作費のカンパを呼びかけている。「浜野佐知監督を支援する会」事務局TEL03(5840)6455。


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缶バッジのイラスト&デザインはご存じ、利根川初美さん。

9月4日ですが、わたしはこの日、講座を頼まれていますが、終わり次第駆けつける予定です。わたしはまだ、浜野監督にお会いしたことはありませんが、今とてもお話しをしてみたい方の一人です。


※他にも関連情報があるのですが、いったんここで。




◆追記
浜野佐知監督『百合祭』上映会&シンポジウム 9月4日開催
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/1343.html


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