シズオカ文化クラブとSPACのコラボ 2010/07/08
7月6日 シズオカ文化クラブの21期総会&第174回定例会へお邪魔する(ゲストということで)。
テーマは「SPACと! あ・そ・ぼつ 演劇の面白さを知る夕べ 朗読とジャズピアノを競演 + われらが葵けいき劇団とのコラボ?!」
シズオカ文化クラブとは、有志で結成された大人の遊びの場を提供する会員制のゆるい集まりなんだそうだ。ゆるいといいながら、もう21年もの歴史を誇る。毎月毎月休まず講座を連打するとんでもないクラブである。
今回は、SPAC(静岡県舞台芸術センター)とのコラボでこの場が実現した。
SPACの演出家 大岡淳さんのパフォーマンスからプログラムは始まる。演出家って、役者よりも役者でなくてはならいということを大岡さんはいつも教えてくれる。これは映画監督でも、CMの演出・監督でも同じである。俳優 石井萠水さんの言葉の連弾も美しい。
栗田丈資(たけし)のジャズピアノは、いつも手放しで絶賛したくなる。なんだろう、鍵盤にふわっと掌を置くだけで、空気を揺るがすあの音域とリズムの創出は。さすがバークリーを主席で卒業され、女王陛下の御前にて演奏をしたピアニストだ。
Maple Leaf Ragから始まり、20曲近い曲を演奏された。丈資さん作曲 Emotionのスイングがたまらない。
朗読俳優は我らが奥野晃士! 鈴木忠志演出『イワーノフ』やSPAC芸術総監督宮城聡演出の『夜叉ヶ池』『ふたりの女』に出演。
俳優とはいえ、短期間(わずか数日)で、テキストの『壬生義士伝』(浅田次郎作 新撰組の鳥羽・伏見の戦いを描いた小説)を半分以上諳んじるこの身体能力はいったい何だろう。
葵・けいき劇団(シズオカ文化クラブ主宰)が台詞とパフォーマンスで『壬生義士伝』の朗読に参戦。みなさん、ちょっと緊張していらっしゃったが、とてもたのしそうだった。これでいいのである。
ところでSPACは税金で運営されいてる、という批判?にはもう飽き飽きしている。このような発言をされる方は、ユーモアのつもりなのか、あるいはチクリと刺したつもりでおっしゃっているのだろうが、もはやこの類の言い方では言葉はどこにも届かない(「経済文化」という言葉あるように、劇団でも経営感覚を持つことは大事だと思う)。
自分たちの地域にある劇団を一緒になって育てていく、そういった態度で盛り上げてみたらどうだろう。育てていくために、辛口の批評をしたい人はそうすればいいし、カラダすべてを投げ出し、一緒になって遊ぶというのもまたいいだろう。何事でもそうだが、「わたしは興味がないから、そんなものいらない」という態度がいちばんよくない。そういうなかで、運営に関するお金の話も一緒にすればいい。
フランスやロシアでは、たぶんドイツなどもそうだろう----各地域に公共劇場をつくってきた。この場合の公共劇場というのは建物ではなく劇団のことである。すなわち劇団イコール小屋、これがセットになっているのだ。日本の場合には、演劇人にとっては大変不安定な貸し館ホールにしてしまった。
そういえば以前、鈴木忠志さんが、貸大学とか、貸病院なんてないでしょう、と言っていたのを思い出した。
この場にアップした内容は、その後、数日間は激しくペンを入れる場合があります。
バックナンバーはここ↓から。「表示件数」を100件に選択すると見やすくなります。