努めて現そうとしたところを極めるのがよろしい 2010/04/01
わたくしごとき人間に何がわかるわけでもないが、時折芭蕉を読みながら、その片方で西行の『山家集』(岩波文庫、岩波書店古典文学大系29『山家集 金槐和歌集』)をぱらぱらとめくってみたりする。
そうして、いつも思い出すのが小林秀雄の次の言葉である。
「西行は何故出家したか、幸いその原因については、大いに研究の余地があるらしく、西行研究者達は多忙なのであるが、僕には、興味のない事だ。凡そ詩人を解するには、その努めて現そうとしたところを極めるのがよろしく、努めて忘れようとし隠そうとしたところを詮索したとて、何が得られるものではない」(西行)
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