平野雅彦が提唱する情報意匠論| 脳内探訪(ダイアリー)

平野雅彦 脳内探訪

あえて、スムーズに弾かないという戦略    2009/12/30


◆ジャズピアニストのセロニアス・モンクは、両手の小指に大きな指輪をしていた。それは、曲を「スムーズに弾かない」ための演奏方法であった。
芸術家ぶっている某氏が野太い筆を敢えて左手に持って書画を描くのとは雲泥の差がある。

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◆I氏がヤマユリの種子を見せながらこんなことを教えてくれた。

「ヤマユリは花が枯れたあと、三つにわれた蒴花(さっか)が開ききってしまわないように「網」を張るんです(写真上)。そうしてその網から風が吹き込み、中に入っている種子を吹き飛ばすんです」

平野「チューリップ状に反った形状は、なるべく広い範囲に種子を飛ばすための設計かもしれませんね」

植物は風や昆虫、鳥などとペアを組んで生息する。相手によってカタチや機能を変えるのだ。多様性の理由はそこにある。

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ニンニクでも、コーンフレークでもないよ。頁岩のような種子。紙のように薄い。それは風に身を任せるためだ。


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